入園式

先日、娘の入園式があった。

待機児童の問題が取りざたされる中、娘は幸運にも入園が認められた。
うちは田舎なので、幸いなことに待機児童はいなかった模様。

保育園の場所は家から駅と反対方向に20分程歩いた所にあるので、通勤時間に往復の40分を多めにみなければならない。
送り迎えは嫁と私で、交替制の予定。
朝の貴重な海荷ちゃんとの時間が減ってしまうが致し方ない。

あなたも、もちろん来るよね?と有無を言わさない嫁の圧力の元、しぶしぶ数少ない有給を申し込んだ。4月の仕事始まりの日に。上司からの無言のプレッシャーを受けて。

両親が共働きで保育できないから保育園に預けるのに、新年度4月の仕事一発目の平日に入園式を設ける保育園、それに参加できる父親。狂気じみている。

入園式に参加できる父親なんて、僕だけなんだろうな、「あのお父さん、今日来れるなんてきっと無職よ!」と美人ママ達に後ろ指を指されるのかな、なんて少し興奮しながら考えていたが、会場に着くと、なんと新入園児の父親はもれなくフル参加。僕の趣向はマイノリティではなかったようだ。

あれか、代理お父さんてやつなのか?
それとも、ここにいるお父さんは皆、モグリの仕事をしている?
もしくは、実は隠れ主夫ってやつ?

下らぬ思惑を巡らせたが、きっと彼らも僕と同様に、妻と上司からの重圧を受け、致し方なく参加した身なのだろう。そうに違いない。もしくは僕と同じマイノリティな趣向を持っている。狂気じみている。

バズーカの様な大きいカメラを構えるお父さん、スマホで我が子を連写するお父さん、死んだ魚のような目で会場隅で電話をするお父さん。園児達も歌っていた、みんな違ってみんないい。

これから、何年間も愛娘がお世話になる保育園。ここで、色々な体験をして、すくすくと成長してくれることを願い、娘の横顔を眺めた。

ときどき、美人ママさんグループを眺めて鋭気を養ったなんて、口が避けても言えない。